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课程内容:教えることは教わることだというが、日本語を外国人に教えてみると、彼らから日本語について教えられ考えさせられることが多い。
「先生、日本人、『さようなら』といいませんね。」
「へえ?」
「gººd býðのことですよ。人と別れるとき、『さようなら』って言うのでしょう。国で習いました」
「いや、『さようなら』って言いますよ。」
「でも、学生たち、使いませんね。」
「何て言いますか。」
「バイバイ」
なるほど。親しい者同士、特に若い人たちが「バイバイ」とか、「バイ」とかといって、手を振って別れることが多い。年輩の私などでも使うことがある。幼児に向かっては当然のように言う。一般の辞典の中には「バイバイbýð býð(俗語)『もと、幼児語』さようなら」と解説するのもあるが、掲出していないものもある。日本語教育の教科書にも、普通は出ていない。いわゆる教室日本語と生活日本語の違う所なのである。
「先生、『はい』と『ええ』と、どう違いますか。」
「『はい』の方が丁寧な返事ですね。」
と答えたものの、それだけかな、と気になった。それで考えてみて気がついた。これは案外大事な問題のようだ。
まず、「はい」も「ええ」も肯定の返事に